法(学)

ダウン症か99%わかる出生前診断導入に人権団体が異議:検査には何ら問題はない

NHKより。 http://www3.nhk.or.jp/news/html/20120829/t10014608571000.html 検査は、アメリカの検査会社が去年10月から行っているもので、妊娠10週目以降の妊婦の血液を調べるだけで、ダウン症など3種類の染色体の異常がないかどうか99%の確率で分…

ジョンレノンってたかが4,5人のグループで仲違いしてたくせに戦争反対とかよく言えるな:リベラリズムの理解度テストになる

ジョンレノンってたかが4,5人のグループで仲違いしてたくせに戦争反対とかよく言えるな http://blog.livedoor.jp/nwknews/archives/4259867.html 2ちゃんまとめサイトより。はてなブックマーク経由で知った。 タイトルを見て、「面白い発想。でも間違ってる…

郷原信郎『組織の思考が止まるとき』

2011年に出版された本を紹介するシリーズの50冊目。今回は今まで何度か言及してきた元検察官の郷原信郎氏(弁護士)の著書を。郷原氏の著書は検察批判ものとコンプライアンスものに大きく分かれるが本書は村井厚子氏の郵便不正事件を扱っており、検察のコンプ…

木山泰嗣『弁護士が教える本当は怖いハンコの話』

2011年に出版された本を紹介するシリーズの49冊目。前回の『憲法がしゃべった。』に続いて今回も木山氏。弁護士が教える本当は怖いハンコの話 (祥伝社黄金文庫)作者: 木山泰嗣出版社/メーカー: 祥伝社発売日: 2011/04/13メディア: 文庫 クリック: 7回この商…

木山泰嗣『憲法がしゃべった。』

2011年に出版された本を紹介するシリーズの48冊目。木山泰嗣氏は弁護士。税法が専門のようだ。『小説で分かる○○法』みたいな本を読んだのがきっかけ。木山氏の著書の特徴は非常に速く読めること。どれも30分程度だろう。そもそも文字数が少ないのもあるが、…

中谷和弘、植木俊哉、河野真理子、森田彰夫、山本良『国際法[第2版]』

2011年に出版された本を紹介するシリーズの47冊目。前回の棟居快行、赤坂正浩、松井茂記、笹田栄司、常本照樹、市川正人『基本的人権の事件簿[第4版]』に続いて法学のテキストを。 本書は国際法の教科書。国際法の最初の一冊として読んだ。有斐閣アルマシリ…

河野太郎「東電の値上げは断れます」は問題:ダブルスタンダードによる取引コストを考慮してない

河野太郎氏のブログより。 「東電の値上げは断れます」 http://www.taro.org/2012/03/post-1174.php 東京電力が、4月1日から電力料金を上げたいという手紙を、契約者に送っている。具体的には、ビル・工場などの特別高圧(標準電圧20,000ボルト以上)およ…

アメーバピグが15歳以下を実質利用禁止:「子どものみなさんを守るため」は本当か?

アメーバピグの公式ブログより。 http://ameblo.jp/pigg-staff/entry2-11190753093.html [重要なお知らせ]15才以下の方による、アメーバピグ・ピグライフのご利用に関して いつもアメーバピグをご利用いただき、ありがとうございます。 本日は、ご利用のみな…

棟居快行、赤坂正浩、松井茂記、笹田栄司、常本照樹、市川正人『基本的人権の事件簿[第4版]』

2011年に出版された本を紹介するシリーズの46冊目。前回の長谷部恭男氏(『法とは何か』)に続いて憲法学者のものを。基本的人権の事件簿 第4版 憲法の世界へ (有斐閣選書)作者: 棟居快行,赤坂正浩,松井茂記,笹田栄司,常本照樹,市川正人出版社/メーカー: 有斐…

長谷部恭男『法とは何か』

2011年に出版された本を紹介するシリーズの45冊目。長谷部恭男氏は東京大学教授、法学者。専門は憲法。芦部信喜氏と樋口陽一氏の門下。自分のリベラリズムについての知識は多くを長谷部氏に拠っている。憲法学の知識も。長谷部氏のスゴいところは憲法学に法…

大村敦志『民法改正を考える』

2011年に出版された本を紹介するシリーズの44冊目。前回の内田貴『民法改正』と同じ民法改正というテーマで、同じ時期に、同じ新書で出版された本書を。なお、二冊を比較するエントリを以前に書いている(「大村敦志氏と内田貴氏の民法改正本を比較する」)。…

内田貴『民法改正』

2011年に出版された本を紹介するシリーズの43冊目。前回は福井健策『ビジネスパーソンのための契約の教科書』を紹介し法学の分野に入ったのでこれから数冊は法学モノを紹介しようかと。まず契約法つながりで本書を。 本書の著者は元東大教授、現法務省の民法…

福井健策『ビジネスパーソンのための契約の教科書』

2011年に出版された本を紹介するシリーズの42冊目。前回の岡田斗司夫、福井健策『なんでコンテンツにカネを払うのさ?』に続き福井健策氏(弁護士)の本を。前回は著作権ビジネスに関する対談本だったが、今回は契約法に関する新書。前回の本も今回の本もオス…

「搾取される感じがするものはとにかくもう嫌なんですよ」:単なる無知と本質を突いてる部分とがある

togetterより。 「搾取される感じがするものはとにかくもう嫌なんですよ」 http://togetter.com/li/255204おもしろかったのでコメントしてみる。推敲などしていないので荒っぽいが。 ●アッパーミドルうんぬん 知識なさ過ぎ。想像力なさ過ぎ。ジョン・ロール…

大村敦志氏と内田貴氏の民法改正本を比較する:どちらも単なる民法の問題ではなく大きな政治の問題を背景にもつ良書

今回は債権法改正について書かれた二冊の新書、大村敦志『民法改正を考える』(2011)と内田貴『民法改正』(2011)を比較してみたい。民法改正を考える (岩波新書)作者: 大村敦志出版社/メーカー: 岩波書店発売日: 2011/10/21メディア: 新書購入: 3人 クリック:…

なぜ復刻版ビックリマンチョコは84円なのか?:景表法の景品類の価格規制について

2ちゃんまとめサイトより。http://blog.livedoor.jp/dqnplus/archives/1691144.html 「ビックリマンチョコ」が復刻! 価格は当時の30円→84円で販売 1980年代に大ブームを巻き起こしたビックリマンチョコが復刻発売! 2月21日(火)に「ビックリマン伝説」(想定…

「みんなで決めよう『原発』国民投票」が条例制定を大阪市に直接請求:脱原発について国民投票をすべきか?

朝日新聞より。http://www.asahi.com/national/update/0109/OSK201201090059.html 大阪の原発住民投票審査へ 市民団体「法定数超す署名」 大阪と東京で原発の是非を問う住民投票を目指す市民グループ「みんなで決めよう『原発』国民投票」は9日、投票条例制…

北朝鮮ベルヌ条約事件最高裁判決はおかしい:ダブルスタンダードになるので

産経新聞より*1。http://sankei.jp.msn.com/affairs/news/111208/trl11120819490021-n1.htm 北朝鮮の作品に著作権保護義務なし 最高裁判決*2 北朝鮮の映画を無断でニュース番組で使用され、著作権を侵害されたとして、北朝鮮の行政機関と日本の配給会社が日…

TPP著作物再販制度問題:アメリカ、公取委、新聞社らの立場

「TPPが著作物再販価格維持制度(独禁法23条4項)の廃止につながりそうだ」という話題がある(例えばこれ)。再販制度は新聞社らのレントシーキングの結果(利権)であり、彼らのダブルスタンダードっぷりが現れているので廃止にすべきだ。しかし本当に廃止になるの…

グリーがモバゲーを提訴:法的根拠は何か、なぜ今のタイミングか、なぜKDDIが原告に加わっているのか

10月22日のエントリでグリーがDeNAを独禁法で提訴する法的根拠等について書いた(グリーがモバゲーに損害賠償を求め提訴へ:法的根拠は何か、なぜ今のタイミングか、賠償額はいくらか)。そのときの記事は「週明けにも提訴」とあったが、ずいぶん遅れて今日実際…

SOPAの問題点はアメリカ法の域外適用

SOPA(Stop Online Piracy Act)という法案が米下院にかかっており話題になっている(例えばこの記事とかこの記事)。「どんな法案?」と思ったのでとりあえずwikipediaを見てみた。今回はその内容を現時点の段階で紹介する。 1.wikipediaの内容 Title I of H.R. 3…

TPP著作権問題:非親告罪化は警察のノルマ稼ぎ逮捕につながるおそれ

以前のエントリで紹介したシンポジウムの記事。ニコニコニュースより。 TPP参加でコスプレや二次創作が罪に問われる可能性 […]八谷和彦氏は、「(著作権法が)非親告罪化したら、警察が摘発の判断をすることになるのが怖い。"エロ"とかが入っているものは、…

新生リビアは宗教国家へ:イスラーム法(シャリーア)と自由主義はなぜ相容れないのか?

現実 朝日新聞(時事通信)より。 http://www.asahi.com/international/jiji/JJT201110240009.html 自由の到来、歓喜爆発=カダフィ大佐死亡に「幸せ」―リビア全土解放宣言 2011年10月24日8時6分 【ミスラタ(リビア中部)時事】「歴史的な日だ。こんなにうれ…

グリーがモバゲーに損害賠償を求め提訴へ:法的根拠は何か、なぜ今のタイミングか、賠償額はいくらか

昨日の夜「ソースはWBS」という2ちゃんのスレが立っていたが、テレ東のネット上のソースが出ていた。 http://www.tv-tokyo.co.jp/mv/wbs/newsl/post_8972/ グリーがDeNAを提訴へ ソーシャルゲームサイトの「モバゲー」を運営するDeNAにゲーム開発会社…

ゼンショー「経営を度外視してまで防犯に取り組む必要があるのか」はもっともだが、社会の相互依存性を理解していない

読売新聞より。 http://www.yomiuri.co.jp/national/news/20111013-OYT1T00613.htm2ちゃんまとめサイト経由で知った。 http://blog.livedoor.jp/dqnplus/archives/1669886.html 警察庁が指導、「すき家」ゼンショーの経営姿勢 警察庁は12日、「すき家」の…

「テレビ局なんて入らなければ良かった」:リベラリズムと憲法

昨日の続き。昨日はお医者さんが"何者"にもなれないと嘆いていましたが、今日はテレビ局の中の人が心情を吐露しています。はてなブックマーク経由で知りました。 http://anond.hatelabo.jp/20111001100318 http://b.hatena.ne.jp/entry/anond.hatelabo.jp/20…

なぜダブルスタンダードは問題か?正義とは何か?なぜ憲法で13条がもっとも重要なのか?

このブログではこれまでダブルスタンダードが問題だと指摘してきた。ここでのダブルスタンダードの意味は、だ。これまでダブルスタンダードとしてテレビ局とか未成年者の飲酒とかコンプライアンス騒動とか体罰とかアメリカ特許法の先発明主義を指摘した。 今…

賠償請求書に「一切異議申し立てぬ」:この条項が入ったままでも消費者契約法で取り消せる可能性はある

現実 日経新聞より。http://www.nikkei.com/news/headline/related-article/g=96958A9C9381949EE0E4E296988DE0E4E2EBE0E2E3E3E2E2E2E2E2E2;bm=96958A9C93819481E0E4E2E2998DE0E4E2EBE0E2E3E39790E3E2E2E2 賠償請求書に「一切異議申し立てぬ」 東電、署名求め…

マイケル・サンデル著、金原恭子・小林正弥監訳『民主政の不満(上)』

以前のエントリで、この本を参照したので、読書メモを残しておく。 マイケル・サンデル著、金原恭子・小林正弥監訳『民主政の不満(上)』(1996)早川書房 ★★★★ 原題は『Democracy's Discontent』。邦訳は2010年。監訳者はいつもの小林正弥氏とその同僚の金原…

フジテレビ 外国人による株式保有:放送法について

デモの影響なのかフジテレビが「皆様へ」というプレスリリースを出している。 http://www.fujitv.co.jp/fujitv/company/news/110902.html この中で放送法に関する部分について調べた内容を記しておく。フジテレビは次のように言っている。 ○認定放送持株会社で…