幼小中で「粗食給食」:リベラリズムに反する

読売新聞より。http://www.yomiuri.co.jp/e-japan/hiroshima/news/20110905-OYT8T00996.htm

幼小中で「粗食給食」 被災地の苦労実感して
 東日本大震災の被災地で給食の提供さえままならない状況に思いをはせようと、福山市教委は5日、市立の小中学校、幼稚園の給食で、通常は1人245円の食材費を145円に抑えた「粗食献立」を行った。約3万人分で、浮いた約300万円は復興支援のために寄付する。
 献立は、ご飯と豚汁、味付けのりと牛乳だけで、子どもたちが一番楽しみにしている主菜はなし。福山市木之庄町、市立樹徳小の2年2組では、主任栄養専門員の今川京子さん(53)が「この献立でさえ出せない地域があった。同じ小学生の苦労を考えて」と呼び掛けた。子どもたちは「大切に残さず食べます」などと発言し、給食を平らげていた。
 市川友翔君(7)は「早く、みんながおなかいっぱい食べられるようになってほしい」と願っていた。
 宮城、岩手両県などの被災地では調理施設が被害を受けたため、パンやおにぎりと牛乳だけの「簡易給食」を続ける学校が相次いだ。
(2011年9月6日 読売新聞)

2chまとめサイトでも取り上げられていた。http://blog.livedoor.jp/dqnplus/archives/1661742.html

自分はこのような行為は全体主義的な価値観の押し付けであり、リベラリズムに反すると思う。宮台真司氏も初等教育における全体主義リベラリズムから批判していたが(例えば『学校が自由になる日』)、本記事のような行為が典型だろう。自分自身、特に小中学校時代こういう全体主義的押し付けを嫌悪していた。当時の自分に学校生活のストレスがあったとすると主な原因はこれだろう。
学校と生徒という関係なので、給食費を払ってるとはいえ生徒に<給食の主菜を食べる権利>がそれほど強く認められるわけではないだろう。しかし、権利の強弱の前に、価値観の押し付け自体が問題だ。
本記事の行為の目的は一見、義捐金(寄付)のように思える。しかし、次のように考えれば、そうじゃないんじゃないかと思う。「給食の主菜を削る」という方法が「被災地へ義捐金を送る」という目的に照らして適当なのか。「削った分、義捐金を送る」という手段が「被災地の人々の効用最大化」という本当の目的にどれだけ貢献するのか。これらの点を考えれば、目的に対し手段に合理性がなく、結局、「被災地の子どもと同じ苦労をしなければならない」という目的(価値観)の押し付けが目的なのではないかと考える。

下の記事によれば、日教組出身者が文科省政務官になったそうだし、今後もこのような価値観の押し付けは続くように思える。
なお、政務官就任は次の点からも問題だ。日教組文科省は規制する・されるの関係である。よって、日教組出身者が文科省政務官になれば、政官業(?)の関係は論理的に考えて当然に歪むだろう。

産経新聞より。http://sankei.jp.msn.com/politics/news/110905/stt11090522350012-n1.htm

日教組出身者を文科政務官に、高まる介入の懸念、輿石氏に配慮か?
2011.9.5 22:34
経済同友会との会談に臨む民主党の輿石幹事長=5日午後、東京都千代田区
 政府は5日の臨時閣議で野田内閣発足に伴う各府省の副大臣などの人事を決定したが、日本教職員組合日教組)出身の神本美恵子と水岡俊一参院議員を、文部科学政務官首相補佐官にそれぞれ起用する異例の人事を行った。同じく日教組出身の輿石東(あずま)幹事長兼参院議員会長に配慮した形だが、野田政権で文部行政に日教組がさらに介入する懸念が出てきた。
 日教組出身者の文部行政への関与は、平成7年の村山内閣当時に、佐藤泰介氏が文部政務次官に就任して以来とされる。[…]

学校が自由になる日

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