ウォール街のデモとフジテレビ・花王デモは何が違うか?

答えとしては「本質は違わない」となる。今回はこの問いと答えについて。


イギリスのタブロイド紙デイリーメールより。
http://www.dailymail.co.uk/news/article-2047168/Occupy-Wall-Street-protesters-make-love-class-war-sex-drugs-tap.html

Camp infiltrated by party goers and homeless looking for sex, drugs & food

ウォール街のデモ("Occupy Wall Street")の目的がセックス・ドラッグ・食べ物だという記事。
2chまとめサイト経由で知った。
http://news4vip.livedoor.biz/archives/51833281.html


このブログではフジテレビ・花王デモは<強度>を求める行動だと解釈してきた(<強度>についてはここ参照)。
ウォール街のデモも<強度>を求める行動という点では同じだと考える。記事中のセックス・ドラッグは<強度>を求める行動の典型例だ。
セックスといえば日本のフジテレビデモの主催者も彼女ができてデモをやめたという話があった(過去のエントリ参照)。


世界金融危機以来、ウォール街の金融機関が問題だということはハッキリしていて、多くのアメリカ人が「どうにかしろ」と感じているとは思う。ただ、多くのアメリカ人はそれを公園の占拠という行動で表現することはしないということだ。それをするのは<強度>を求める主に若者たちだろう。もちろん記事にあるように日本でいうプロ市民な人たちもいるし、食べ物を求めるホームレスもいるが。


以下、いくつか<強度>を求める行動とウォール街デモの関係について。

In one shocking picture, a man can be seen defecating on a police car.

パトカーの上でウンコをする男の写真があるそうだ。この写真はさすがに上の記事にも載っていない。自主規制?いずれにせよ「パトカーの上でウンコをする」ことより<強度>が得られる行動もそう多くないだろう。


デイリーメールの記者はデモとヒッピー文化との関連を指摘している。デモを「urban rave」と表現していたり「ウッドストック*1のようだ」と書いている。

Protesters said the site smells like a sewer and the free condoms have given visions of what the Woodstock festival was like.

「レイブ」は日本語では主に屋外で行われる大規模なクラブイベントを指す言葉として使われる。英語でも同じだと思う。ヒッピー文化はクラブ・ドラッグ文化と結合しており、<強度>を求める行動の表れなので、この記者の表現ももっともだ。

*1:常識だとは思うが、ウッドストック・フェスティバル(1969)はヒッピー文化の頂点と言われ、ベトナム反戦などの大義をかかげたが、現実はドラッグ・セックス・犯罪まみれだった。