本を速く読むにはどうしたらいいか?:個人的経験に基づく速読術

従来から言われていることだろうが、私の経験に基づく速読術をメモしておく。「そもそも速く読んでどうする?」という問題は措いておいて。

(1)たくさん読む

ふつうに読んでいれば読書自体に熟練するので速くなる。結局これが最良の速読術(読書術)だと思われる。多くの人がこれを挙げている。例えば、松岡正剛氏とか(『多読術』)。ホリエモンも(『100億稼ぐ仕事術』)。ほかにも木山泰嗣『弁護士が書いた究極の読書術』とか。

(2)知っていることが書いてある

本をたくさん読めば知っていることが増えるので次の本を読むときに速くなる。(1)の延長線上。これも当たり前だが大きな要因だと思う。やはり松岡氏が指摘している。

(3)書いてあることの予想がつく*1

本を読んでいるときに「次この話が来るな」という予想があり、それが正しければ読むのが速くなる。(1)(2)の延長線上。予想が間違っていればその分、遅くなる。ただ間違っていた予想と「次に来る話」の差も楽しめる。もちろん間違った予想を固持すると誤読するのでそれは避けるべき。


よって、同じ著者・同じテーマの本を読み続ければ速くなる。これを色々な著者・テーマで繰り返せば本全般に読むのが速くなる。

多読術 (ちくまプリマー新書)

多読術 (ちくまプリマー新書)

100億稼ぐ仕事術 (ソフトバンク文庫)

100億稼ぐ仕事術 (ソフトバンク文庫)

弁護士が書いた究極の読書術

弁護士が書いた究極の読書術

愚民社会

愚民社会

一般意志2.0 ルソー、フロイト、グーグル

一般意志2.0 ルソー、フロイト、グーグル

*1:例えば大塚英志宮台真司『愚民社会』東浩紀『一般意志2.0』であれば、どちらも近代化(自由主義+民主主義+資本主義)できない日本について書いてあるんじゃないかな、という予想が付く(いや全然違うかもしれないが。特に大塚英志氏と東浩紀氏については著書を読んだことがないので)。なぜ予想が付くかといえば、この近代の問題が明治以来、日本の思想家がずっと格闘してきて敗北し続けている最重要問題なので、きっとこの問題を扱っているのだろうと。「どっちも今の日本の政治を衆愚政治ととらえて批判するんでしょ」「じゃあどうするだよ?というツッコミに対し宮台氏はエリート主義・共同体主義って答えて、東氏はネット(グーグル)=無意識(フロイト)=一般意志(ルソー)って答えるんでしょ」とか。読んでもいないのに勝手に予想してますが。逆にこのタイトルでこの問題を扱っていないなら編集者がよっぽど酷いタイトルを付けたか、それとも本自体がダメなのかのどちらかだろう。ともあれ、この近代の問題という有名な問題についての知識があれば速く読めると思う。そして世の中にこの問題について書いた本が山ほどある。ということは普段から本を読んでいる人はこれらの本を速く読める。