堀江貴文、茂木健一郎『嫌われ者の流儀』

2011年に出版された本を紹介する18冊目。今回も17冊目堀江貴文『お金はいつも正しい』に続いてホリエモン。私が堀江氏の本のどこに読む価値を見出しているかについてはこのエントリを参照。

嫌われ者の流儀

嫌われ者の流儀

堀江貴文茂木健一郎『嫌われ者の流儀』(2011)小学館 ★★

『嫌われることを恐れない突破力!』に続いて堀江貴文氏。『嫌われることを〜』は勝間和代氏との対談だったが今回は茂木健一郎氏との対談。似たようなタイトル。同じような意味でつけているのだろう。内容は『嫌われることを〜』の方がよい。


以下、内容のメモ。


茂木 著書の題名はすべて編集者がつけている。


茂木 新卒採用は表向きすべての大学から応募を受け付けるが実際には大学で足切りがある。最初から応募できる大学を明示しろ。本音と建前を分けるから非効率になるという例。大学で足切りしても平等原則違反ではないと思うが。


堀江 朝青龍は韓国人に「おい、そこのキムチ野郎」なんて言っちゃう。
コピペになってたなぁ。これ本当なの?

茂木 不合理なところはどんどん改めていい方向に変えた方がみんな得するわけじゃない(p.152)

一般的な合理性の概念の一つはパレート効率性だろう。合理性=パレート効率的と考えれば、この発言は自分もいつも思うところ。経済学者の政策提言もこの合理性をもとにしていることが多いと思う。


茂木氏は堀江氏と小沢一郎をならべ、2人とも合理的過ぎるから嫌われるという。『嫌われることを〜』の勝間氏・田原総一朗氏とまったく同じことを言っている。


『復興の精神』(2011)で茂木氏は大震災のおかげで日本のダメなところ(具体的には過剰コンプライアンス)が消えるかもしれない。と、のんきなことを言っていたが、本書で震災後すぐは消えかけたがすぐ元に戻ったと言っている。そりゃそうだ。小室直樹氏なら「社会科学的に分析しないからだ!」と怒りそう。

【参照文献】

フリードリヒ・ニーチェツァラトゥストラかく語りき』
江副正浩『リクルート事件