松岡正剛 監修『日本のもと 海』
2011年に出版された本を紹介する29冊目。今日も昨日の『アートな言葉』に続いて松岡正剛氏の本だが、雰囲気が変わって子ども向けの本。しかし、意外とあなどれない。結構知らないことが書いてあった。
- 作者: 松岡正剛
- 出版社/メーカー: 講談社
- 発売日: 2011/10/26
- メディア: 単行本
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松岡正剛 監修『日本のもと 海』(2011)講談社 ★★★
『アートな言葉』に続いて松岡正剛氏。本書は子ども向けの日本論シリーズの一冊のようだ。「海」のほかに「学校」(齋藤孝)、「政治」(田原総一朗)などがある。最近、小松正之氏の漁業の本を読んでいるのでちょうどいいかと思い読んでみた。
本書の大まかな構成は前半2/3ほどが海に関連する日本史。後半1/3ほどが現在の日本の問題(例えば、海洋汚染)。歴史の部分は2人のキャラクターが過去に遡って歴史上の人物(例えば、村上水軍の村上武吉やペリー)に話を聞くという設定。後半はその2人のキャラクターが松岡氏に質問し、答えを聞くという設定。
松岡氏と「海」って関係ないよな、と思っていたが内容が日本史・日本文化だったので『17歳のための世界と日本の見方』(2006)あたりを読んだ出版社側が企画したのだろうと納得。
本書は小学校の社会の資料集のような体裁だが、冒頭の質問でいきなり知らないことを聞かれて驚く。どんな質問かというと「日本の最東端はどこか?」→南鳥島だそうだ。北方四島が返還されれば変わるかな。
字が大きくあっという間に(30分前後で)読めるが、なかなかおもしろかった。一冊の本の内容をすべて知っていることはないという経験則を確認した。
以下内容のメモ。
●江戸時代の漁業
江戸時代以前に日本で漁業が盛んだったのは瀬戸内海など西日本だけ。江戸時代になって東日本でも漁業が行われるようになった。江戸で寿司が人気となり江戸前寿司と呼ばれた。地引網漁や巻き網漁など現在の漁法のほとんどは江戸時代に生まれた。
●日本に島はいくつあるか?
6852ある。日本の国土面積は世界61位だが、海岸線の長さは世界6位。
●領海・排他的経済水域・公海
国連海洋法条約(1982)により領海は海岸線から12海里と決まった。200海里の排他的経済水域(EEZ)も同様。領海にもEEZにも含まれない部分が公海。日本は領海+EEZの面積が世界6位。
【参照文献】
中江克己『海の日本史』
【関連エントリ】
- 作者: 松岡正剛
- 出版社/メーカー: 春秋社
- 発売日: 2006/12/25
- メディア: 単行本(ソフトカバー)
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