木山泰嗣『弁護士が教える本当は怖いハンコの話』

2011年に出版された本を紹介するシリーズの49冊目。前回の『憲法がしゃべった。』に続いて今回も木山氏。

弁護士が教える本当は怖いハンコの話 (祥伝社黄金文庫)

弁護士が教える本当は怖いハンコの話 (祥伝社黄金文庫)

木山泰嗣『弁護士が教える本当は怖いハンコの話』(2011)祥伝社 ★★★

憲法がしゃべった。』に続いて木山泰嗣氏。新刊が出ていたので読んだ。本書はタイトルどおり「あまり気楽にハンコを押していると大変なことになるよ」というもの。例として、連帯保証契約、宅配便の受領印でクーリングオフ期間が走る、社内稟議書で企業不祥事が起きたときの責任追及、名義貸しをして名目的取締役になったところ責任追及など。


本書の内容は<印鑑は印鑑で表示される者の意思を確認し、証拠として残すもの>とだけ言えば済む話だろう。
内容が無さすぎるという印象。確かに印鑑に関連して法学の話をちらほら書いてはいる。例えば、公正証書、面前調書、無権代理など。しかし、こんな説明をバラバラとされても結局、頭には残らないだろう。


役に立ちそうなものは印鑑の種類や契約書と覚書などといった実際的な話くらいか。これらはほぼすべて第4章に書かれているので、この章だけ読めばいいだろう。証拠法(民訴228条4項)もここで説明されている。


いろいろ文句を書いたが、書き方は相変わらずいいので、すんなり読める。本書は30分あれば読めるだろう。なのでそんなに「損した」という印象でもない。

憲法がしゃべった。?世界一やさしい憲法の授業?

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